最近の福冨
2000年2月
皆さんお元気ですか。
実は先日(2/2〜2/6)L.A.に行って参りました。
音楽ライターの中田利樹さんから「すごいコンサート
があるんで見に行きませんか」 と誘われまして、その内容の
あまりのすごさに同行させていただきました。
その旅の一部始終を今回は報告したいと思います。
2/2
14:30の飛行機で成田を出発。 乗り込んで1時間後にでた機内食
とビールを飲み、僕は死んだように爆睡。
飛行機の中ではあまり眠れないと言う中田さんを横に寝ていた。
この日のフライトはかなり揺れたが、(L.A.に30回以上行かれてる
中田さんいわく3本の指にはいる揺れだったらしい。)
僕は夢も見ずに寝てました。 さて、追い風だったようで1時間ほど
早く着いたのだが、入国審査官がまだ出勤しておらず 1時間程待たされて
やっとL.A.の空をおがむ。 前日までは曇り空だったらしいのだが、眩しい
ばかりの青空だった。
さっそくレンタカーを借りて、サンタモニカヘ。
まだ朝早いビーチだけど、充分暖かくすでに時差ボケがきたのか
心地よい眠気におそわれた。 レギュラーサイズ(日本だったらラージサイズ
の大きさ)のコーラを飲み終わると 中田さんお勧めのラーメンを食べに出発。
やはりどう考えてもアメリカサイズのラーメン・カレーセットを食べモーテルに
向かう。 この日は夜にL.A.在住の日本人カメラマン ジェフ伊藤さんと会い食事
をする。 かなり酔っぱらって時差も関係なく寝た。
2/3
この日は中田さんの仕事に同行させたいただいた。 まずは
エイドリアン・ガーヴィッツさんのインタビュー。
この方はティーンエイジャーのころにはイギリスでかなりヒット曲を持つ
バンドに在籍 していた人で、アメリカに移り住んでからは映画
(ボディーガード)にも曲を提供したり最近のビルボードヒット曲も
手掛けているいわゆるサクセスされてるシンガーソングライター、
アレンジャー、プロデューサーです。
(ちなみに中田さんが主宰するレーベル"クールサウンド"から
数枚CDがでているので、興味がある方は購入してみてくだい)
話の中で特に印象に残ったのは、自分自身の歌についてのコメント
で 「私の声はロッド・スチュアートやブライアン・アダムスのように声
自体がサウンドとして 与えられたもの(ようするに個性が強いとゆう
意味でしょうか)ではないが、聞く人々の ハートに向かって歌っているから、
感動させることができるんだ。」 とかなりのキャリアを持つ彼が真面目
に言っていたので、僕自身非常に身がひきしまる気がした。
しかしでかい犬が2匹いて、その内の1匹にあきらかに
なめられてしまって閉口した。
つぎはデヴィット・ラズリーさんとの会食。
インタビューにむかう車の中で中田さんが「次に会う方のCDです。」
聞かしてくれたのは、キャロル・キングのカバーでとても美しい女性の声。
「美しい声ですね」と僕が言うと「男性です。」と中田さん。
世界は広いと言うかアメリカは広いというか。
この方はバックコーラスとしてジェームス・テイラーをはじめ数限り無く
仕事をしてますが、ソングライターとしてもアニタ・ベーカー
をはじめたくさん曲を書いてます。
そしてもちろん自分のCDも出してます。
(ちなみに中田さんが主宰するレーベル"クールサウンド"から数枚CDが
でているので、興味がある方は購入してみてくだい)
このデヴィットさん以外にもう二人。
作詞家ロクサン・シーマンさんとデヴィットさんのホームページ
を作っていると言う女性(すいません名前忘れました)
だったのですが、彼等と中田さんの話がミュージックビジネス中心だったので、
僕の英語力を超えておりひたすら食べてました。
しかし帰り際にデヴィットさんに僕のデモテープを渡すと、しっかり肩を
つかまれて「またこっちにきたら電話をくれ」と電話番号をわたされました。
すこし複雑な心境でした。
そしてこの日最後はブロック・ウォルシュさんとバーで一杯。
この方はポインターシスターズを初めとして色んな人に曲を書いています。
クインシー・ジョーンズに気に入られていてクインシーの
プロジェクトではかなりの数、曲を提供してます。
非常にユーモアのある人で「僕が詩を書くので(日本語で)君がメロディー
を書いて共作しよう」 とニコリともせず、おっしゃってました。
(ちなみにこの方も今年、中田さんが主宰するレーベル"クールサウンド"
からCDがでる予定なので、チェックしてみてくだい)
そしてその晩はジェフ伊藤さんの家でL.A在住の
日本人ギターリスト ジンシ・オザキさんに会い、意外や意外、共通の
知り合いがいることに驚きながら、酒を飲みながら、酔っぱらって寝ました。
2/4
さてこの日はロビー・ブキャナンさんの家へ この方はキーボーディスト
としてマクサスというバンドに在籍後、スタジオミュージシャン、
ソングライター、アレンジャー、プロデューサーとしてセルジオ・メンデスを始め、
まさに数限りなくやっておられます。なかなかの2枚目です。
彼の家で貴重なデモテープを聞く亊ができました。
これはリリースされてる音源のデモなのですが、これがびっくりで、
ピーボ・ブライソンの曲のデモシンガーがやはり 超有名なシンガー
(名前がだせないのが残念)だったり、個人的にはデモのほうが
断然いいものもあったりと非常に得した気分でした。
おまけに僕のデモテープに”so nice ! cool!”を連発してくれて
おもわずアメリカでがんばっちゃおうかなと..........
そして今回の旅の目的であるシュライン・オーディトリアム会場へ
かなり歴史のある場所らしく去年はグラミ−賞の会場だったらしい。
僕もタキシードを着てGO! カメラマンのジェフさんのお陰でかなり前の席へ。
パンフレットをみるとホントかよと驚くメンバー。
ざーっと名前を書いてみよう。
マイケル・マクドナルド,パティー・オースチン,レイ・チャールズ,
クリストファー・クロス,ジェイムス・イングラム,パティ・ラベル,ケニー・ロギンズ,
デヴィッド・パック,アラン・パーソンズ,
スティーヴ・ポーカロ&デヴィッド・ペイチ from TOTO,
ボズ・スキャッグス,スティーヴ・ウインウッド,そしてドゥービーブラザーズ,
この他にもまだ多数。
このライブは日本でもある楽器フェアのアメリカ版のなかのショウ
でなんとヤマハが主催で、
"THE NAMM MILLENNIUM CONCERT" その主旨がすごい。
ヤマハがマイケル・マクドナルドに賞をあげるというんで、彼の友人達が
集ってお祝をするというもの。 要は基本的にはマイケルの曲を友人達がどんどん
歌ってゆくコンサートなのだが、もちろんマイケルもほぼ出ずっぱりなのだ。
皆さん僕がどれだけマイケルマクドナルドに参っているかと申しますと、
彼がレバーを好きならば,俺も幾らでも食べてやろうじゃないか
(生はなぜか好きなんですが) それであんな声が出るんだったら....。
わかりにくかったかな。
しかもケニーロギンズが出て死ぬ程好きな曲をメドレ−で
(”HEART TO HEART”、”THIS IS IT”)やった日には、
1週間レバーを食えといわれても口笛を吹きながらいただきますって。
他にもマイケル&ジェームスイングラムの
”YA MO BE THERE”もよかったし、シェデイジー(3人の女性ボーカル
グループでカントリーシンガーらしい)が歌ったのも素晴らしかったし、
途中でマイケルの物真似を上映したんだけど最高におかしかったし、
レイチャールズがセッティングしてあったピアノに触りもしない上に1曲
ほとんど歌わずに『I LIKE THIS SONG』とのたまったのも笑った。
そしてドゥービーブラザーズ。
”WHAT A FOOL BELIEVES”、”TAKIN' IT TO THE STREET"、
”MINUTE BY MINUTE” 言うことありません。
こうして3時間強のコンサートは『ああ来てよかった』というため息
と共に終わりを告げるのであった。
2/5 あっというまのL.A.の旅もこの日で終わり。
朝早く起き、サンタモニカをぶらぶら歩いた後、 空港へ。
中田さんはもう2日いるので、飛行機にひとりで乗り込み、1時間後に
でた食事とビ−ルを飲み、熟睡。ふと目をさまして隣の人の時計を見ると
(僕は時計持ってません)日本時間にあわせてたみたいで『6時間も寝た』
となぜか嬉しくもうすぐ食事だ!とうきうきしてたのだが中々食事はやってこない。
スチュワ−デスに現地時間を聞いて2時間しか寝てないことに気付き
『中途半端に時間あわせんなよ』と横で寝ている隣人を睨んだのであった。
飛行機は全く順調に成田に到着。僕の旅も終わりを告げたのである。
いかがだったでしょうか。これだけ音楽的で充実した旅は初めてです。
ひとえにこの旅に誘ってくださった中田さんのお陰です。
中田さんどうもありがとうございました。
福冨英明 2000.02.10