最近の福冨

2000年7月

 
子供の頃から、夏休みの宿題は8/25からやり、しかも終わらなかった
という体質が抜けない私。書こう書こうと思いつつ、のびのびに
なってしまうこのコラム。今回はたっぷりといってみよう。
 
さて6/18(日)またまた出演しましたJAM FOR JOY。
今回は昭和歌謡の夜。いわゆる昭和の時代に流行った歌をカバーしよう
というイベントです。このJAM FOR JOYは歌う本人の選曲+数曲を歌う
のですが、僕が今回歌ったのは、まず「さらば恋人」BYマチャアキこと堺正章!
堺正章っつっても、「ああ。あのあるある大辞典とかやってる叔父さんね」
というぐらいの認識の人が多くなっているんではないでしょうか。
 
あの方はスパイダーズというG.S.グループ(この言葉も死語か)の
リードヴォーカリストで、ソロになってからはこの「さらば恋人」を含め数曲の
大ヒットをもっておられるのだ。「ああ。そういえばあるあるで叩いてるタンバリン
が妙にうめえなあ。」と思ってたあなた!合格です。さてこの「さらば恋人」
ヒットした年をみると1971年!なんと俺は8つじゃないか!
妙に好きだったんだよね。というかすごい残ってんですよ。
これはね僕の叔母が歌謡曲好きで(だれかのおっかけもやってたぐらいで)
あといとこのお姉ちゃんが、やっぱり歌好きでこの影響があったんじゃ
ないかなあ。熊谷さん(音楽ライターでJAM FOR JOYの企画からなんから、
すべてをやっておられます)から「なんかやりたい曲ある?」と聞かれて
即座に「さらば恋人」と答えておりました。じつは歌詞もぼんやりしか憶えて
なかったし、アレンジはもちろん、誰が書いてんのかなんてまったく知らなかった。
 
改めて聞いてびっくり。まずアレンジ。まるでバカラックじゃん!
バカラックっていうのは、僕が死ぬ程好きな作曲編曲家で、古くは
ディオンヌ・ワーウイックの「サンホセへの道」。そして映画「俺達に明日はない」
のテーマ曲で有名な「雨に濡れても」。最近ではエルビス・コステロと組んで
アルバムを作ったり、いわば天才です。で作曲は筒美京平。作詞は北山修。
このふたりには思い入れはないんで簡単に言いますと、筒美京平はヒット曲
の数は日本1でしょう。そして北山修は「おらは死んじまったダア」ッて歌を
つくってて、歯医者をやってる人。なんか説明がそっけなくてすんません。
さてこの「さらば恋人」聞けば聞く程、「なんて俺は子供のころから
趣味がいいんだ。」とへんに嬉しくなったりしたのでした。
 
この「さらば恋人」を福冨英明(ピアノと歌)石井完治さん(ギター)
赤石香喜さん(ストリングス)植田博之さん(ベース)中島肇さん(ドラム)
という編成で行いました。歌ってる最中にマイクがどんどん下がってきて終わり
のほうには下向いて歌ってました。でも楽しかった。 そして次に僕がリードを
とったのは「ランナウェイ」BYシャネルズ。シャネルズはもう解散してますが、
メンバーの中には田代まさし&桑マンがいました。「えーっ。歌手だったの。
そういえば桑マンはなんかの番組でトランペット吹いてたし、田代まさしも
志村けん同様ソウルミュージックが好きだっつってたなあ。」てな感じでしょうか。
そしてリードヴォーカリストは鈴木雅之!
 
知る人ぞ知る日本のソウルヴォーカリスト。ハッキリ言って最初は色物
におもってました。だって全員顔を黒く塗ってんだもん。しかしこの鈴木雅之氏
は声が良い。フィーリングが良い。そして適度な下品さを歌に持っている。
(これが日本人には難しい)改めて聞くと、やっぱりそうで、うーんちょっと
鈴木雅之氏は出てくるのが早すぎたかなあと。でもすごく売れたんだけどね。
 
さて、JAM FOR JOYは2部構成になってて1部と2部のあいだはブレイクが
あるんですが、「ランナウェイ」は2部の最初そして僕をはじめとしてコーラス隊
の方々(KENGO氏、杉原氏、種市氏、橋本氏)はこの曲のあとの出番まで
結構あいている。勘の良い方はお気付きでしょうか。くろくぬりつぶせ〜
ってやつです。ブレイクのあいだ、橋本氏そして藤原美穂さんの指導の元、
(杉原氏は特別バージョンだったが)みんなが顔を黒くしていった。
みんなが黒くなりながら楽屋にいた他の出演者に受けている中、ぼくも
黒く塗りました。しかし誰も笑わない。藤原美穂さん曰く「つまんない。そのまま
なんだもん」どういう意味でしょうか?「そこらへんにいそうだもん」
どういうことでしょうか?鏡をふと見るとそこにはガタイのいい、ほんと
そこらへんにいる黒人がいました。橋本氏に「いいなあ」と言われ、喜んで
いいんだか何だかって感じです。さてこりゃあいい記念になるっていうんで写真
撮ろうということになり、撮ったんですが、撮り終わった後、種市氏がやってきて
真面目な顔して小声で「福冨さん。間違ってたらあれなんですが、
福冨さんって、はいってます?」なにがでしょうか?「いや純粋な日本人
なのかな、なんて」純粋です。 演奏のほうははっきりいって杉原氏にもって
いかれました。彼はサングラスをかけて登場したんですが、サングラスの下だけ
黒く塗り、歌の最初の部分のかけあい”ランナウェイ”を歌うときだけサングラス
を取るという抜群のパフォーマンスで笑わせてくれました。ほんとこの
”てっちゃん”(杉原氏のニックネーム)は最高で、かれがやった
「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」は僕にとってこの日のベストでした。
という感じで他にも多数コーラスで参加し、楽しい一日となったわけです。

そして6/21(水)クロコダイルでのCD発売記念ライブ! ここに詳細が!(管理者)
今回は梅村仁氏(ギター)山口とも氏(パーカッション)と3人で行いました。
久しぶりに満杯のお客相手にやる喜び!(対バンの97%!の客がほとんど)
まず1曲目は「imagination」!”これを聞いてピンとこんやつはだめじゃあ〜”
とばかりにいつも気負いすぎる曲。今回も目一杯気張ってしまいました。
青いなあ俺は。そして2曲目「Happiness」最近よくやってますが、
これも”これを聞いてガンとこんやつはだめじゃあ〜”とばかりにいつも
テンポが遅くなる曲。今回もバラードかこれは?と思わせるテンポでした。
「ふたりをつなぐもの」「I will」「まぶしい風」非常に気持よく進んでいきました。
特に「ふたりをつなぐもの」は客の評判がいいみたいっす。
そして「A MELODY OF HOPE」この曲最高ね。自分で言ってます。
いわゆる降って湧いた曲で、あっと言う間にできたんだけど、こういうのが
いいんだよね。そして「明日は永遠」この曲最高ね。
今回のCDにはいってます。歌詞が気に入ってます。
そしてカバー「WHAT CHA GONNA DO FOR ME」これは楽しいんですわ。
メンバーもぐっと乗るみたいで、グルーブ感がたまりません。
 
ともさんのアドリブもおもしろかったっす。そして「昨日より君を好きになる」
こっからムーディーにいくぞ〜とボサノバです。
そして「LYDIA」今回は出来がよかった。なんか妙に入り込めました。
あまりの感動で『どうして私の名前はリディアじゃないのかしら』と
思われたかたも多数あったかなと(ないよね)。
そしてCDタイトル曲「i love you」この曲は、やってて空気が変わる
感じがするんです。ともさんの潮騒の音がより一層そうさせた
んじゃないでしょうか。さてライブは楽しくなくちゃとばかり
「君がそばにいれば」最近途中でお客さんにも歌ってもらってんですが、
どう?歌いにくいとかある?御意見お待ちしてます。
そしてラストは「光になって」最後の2曲続けやったんで、初めて
聞いた方は1曲だと思ったみたいです。楽しく聞いてもらえたんなら
全然o.k.です。 アンコール「MY HERO」これが一番よかったという
お客さんが多かったみたいです。最後の曲が一番ていうのは嬉しい事です。
 
今回のライブではCDが30枚近く売れたそうで(先行発売)、
6/26の発売に向けて小森氏(レーベルオーナー)と「よーし売るぞ〜」
気合いがはいりました。ちなみにホームページでも売ってます(管理者)
ライブに来られた方々、有難うございました。
そしてスタッフの皆さんお疲れ様でした。
僕自身いいライブになったと思ってます。
 
ちなみに今回のCDについて色々書いたパンフレットを作ったのですが、
このホームページ上で御覧になれますので、是非見て下さい。
こちらで〜す(管理者)
 

7/6(木)新宿マローネ。ここでやるのは2回目です。
すっかりアットホームな店の雰囲気に魅了されて、ほぼ月1回出演
させてもらおうと思ってる今日このごろです。さて、来られたことがない方
の為に簡単にお店の感じを説明しますと、20人入ったら一杯です。
もともとはカントリー&ウエスタンの演奏を主にやってたそうで、
今年で30周年を迎えています。要する飲んで食って音楽聞いて楽しむ
お店です。演奏は8:00から50分と10:00から50分と2ステージ行い
曲目は全く別です。合計すると20曲ぐらい歌うわけです。
 
前回同様ギターの梅ちゃんと二人でやりました。僕がこの店でやる際、
決めてるのは、新曲を試す。「なに!金とって試すんかい!」と怒んないでね。
もちろん自信をもってる曲わけなのですが、例えば「このリズムでやった
らどんな感じだろう」とか「反応がよかったら、すぐレコーディングに
取りかかろうかな」とかまあ、見にきたあなたの反応しだいという、
言ってみれば、非常に客との密接なつながりを重視しておると言う
私の哲学とでも申しましょうか。まあぶっちゃけて言うと、
「どう?こんなのは」ってことです。あとカバー曲を増やしていく。
えーいわゆるライブでは本編では、やって1曲、アンコールで1曲と
いうのが僕のやり方ですが、ここでは大体計4曲やって、これもさっきと
同様反応がいいのをレパートリーにしてゆくという、言ってみれば、
非常に客との密接なつながりを重視しておると言う私の人生哲学とでも
申しましょうか。まあぶっちゃけて言うと、「じゃあこんなのは?」ってことです。
ホントお得なライブだと思うよ。たっぷり聞けて、至近距離で明るい店内。
そう!これを忘れてました。すんごい近いんだ。距離が。
しかも明るめなんで、目と目がぶつかり少し恥ずかしい思いをしながら、
楽しもうというんですから。最高でしょ。9:00から10:00までは休憩なんで、
僕とも気軽に話ができるし。是非見にきてね。
 
で、今回はカバーでスティービー・ワンダーの「Overjoyed」、「Isn't she lovely」
カーペンターズの「Close to you」、ネッド・ドヒニーの「What cha gonna do for me」
ねっ。聞いてみたいでしょ?来てよ来てよ次回。
ちなみに次回は8/7(月)是非お越し下さい。
分かってもらえたかと思うけど、リラックスしたライブです。
重ねて是非!
今回のコラムはライブの話に終始したけど楽しんでもらえましたでしょうか。
 
ではまた。
 
福冨英明 2000.07.10
 
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